シヴァの見つめる先 - 9/12

 審神者は、鶴丸のケアを重点的に行うにあたって、サポートチームを編成した。
 サポートメンバーは、長を審神者とし、北谷菜切、物吉貞宗、千子村正を主要メンバー。そうして補助メンバーとして一期一振、燭台切光忠、源清麿を抜擢した。
 南海などは、
「長を君にするのかい? 本丸のことだけでも忙しいだろうに」
 と、幾分含みをもった言い方で反論したものだったが、
「刀剣男士の心については、主である私が責任を持つべきだと思ってる」
 審神者の先制パンチで閉口させた。とはいえ、彼女自身それが南海太郎朝尊なりの優しさだと分かっているから、
「私のこと心配をしてくれるのは嬉しいけど、これだけは譲れない」
 という発言にもつながるわけだ。
 厳然として言い放つ主に、南海もそれ以上の言葉は飲み込んでうなずくばかりだった。
「もちろん、確かに忙しいけど。それを理由にやらないって手はないよ。もちろん、一期にも馬車馬のように働いてもらうけど」
 ね、と審神者が一期へ視線を向けると、彼ははじかれたように立ちあがって言う。
「どのようなことでも、全身全霊をかけてやり抜く所存です!」
 よろしい、と審神者は深くうなずいてみせた。
「ただ、勘のいい奴は気づき始めてるからね。夜道には十分注意するように。私、いやよ。『一期はマッドサイエンティストのケはありましたが、あれはあれでいい奴でした……』とか、インタビューに答えたくないからね」
「御意」
 研究チームの総意がとれたところで、次はサポートチームと連携を取っていく段となった。

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