その後、長義とは何回も寝た。
やっていくうちに私も慣れてきて、痛みはなくなり、かなりいい感じになってきた。長義が上手いか下手かは知らないが、前戯は丁寧だし優しいし、なんというかこう、可愛い。
長義はキスが好きだ。ダジャレではない。キスにすごく時間をかけるし、隙さえあればキスをねだる。可愛すぎないか? 暇さえあればちゅっちゅちゅっちゅやってて、私のほうが焦れてしかけることもあるくらい。
本当にちゅっちゅちゅっちゅが大好きで、キスだけで二時間くらい過ごせるんじゃないかと思う。顎が疲れるから勘弁してほしいのが本音だけど、たまに漏れる声や、キスの後のとろんとした顔がめっちゃ可愛いので、付き合っているかんじだ。
でも乳首を嫌がるのは相変わらずで、しかしあれは絶対に、感じる姿を見られたくないからだと思う。それを証拠に、舐められる一方じゃ申し訳ないから私も舐める、と言ったらかなり嫌がって、それでも無理矢理やったら顔を隠して喘いでいたので、恥ずかしがり屋さんなのだということで納得した。
プライドが高いので、イキ顔を見られたくないんだろう。いつか拝んでやろうと思うけど、いつも私の方が先に負けるので念願は果たせずにいる。
長義とは大分寝たので、前より親しくなったと思う。長義が私の寝室に滞在する時間も長くなって、朝ごはんを作ってくれることもあった。目玉焼きとトースト、あとサラダとコーヒー。ど定番で簡単なメニューだったけど、他人の作った朝食はうまかった。長義はコーヒーだけ飲んでいた。よくそれで保つなあと思った。
一緒にお風呂に入ったりもするようになった。
終わったあと一緒にお風呂に入って、髪の毛を乾かしてもらうのがかなり気持ちよかったりする。
そうされるとそのまま寝てしまうので、私が長義の髪を乾かしたことはない。長義の髪は綺麗でさらさらで意外と柔らかいので、すぐに乾くのだろうか。いつか乾かしてみたいと思う。
買い物にも一緒に行った。ゴムが切れてたからだ。
薄いの、厚いの、においつき、味付き、色々試してみたけど、いつも使っているのが一番いいことに気づいた。サンプルでもらった何枚かが収まりが悪くて、長義のポケットにそっと忍ばせたら、なにかの拍子にそれがぽとっと落ちて、よりにもよってそれがいぼ付きだったもので、南泉に揶揄われたとしちゃかちゃに怒られた。それは正直に申し訳なかったと思う。ちなみにそれはまだ使ったことがない。使うには勇気がいる。
そうして、段々と自室に長義の私物が増えてきた。長義がいないときも、長義のジャージを拝借してみたり、逆に長義が私のヘアバンドを使ってみたり、日常生活の中に山姥切長義という刀が溶け込んできたのが分かった。
でも、それではいけないよなあというのが本音だった。
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